以下のコンテンツは「防災情報のページ > 広報・啓発活動 > 広報誌「ぼうさい」 > 平成22年度 広報誌「ぼうさい」-防災情報のページ > 特集 防災ボランティア」から引用しました。
日本の「ボランティア元年」ともいわれる平成7年の阪神・淡路大震災から16 年。
これまで全国各地の被災地で防災ボランティア活動が展開され、大きな役割を果たしてきた。
さまざまな経験や教訓を踏まえて変化を遂げてきた防災ボランティア活動を振り返り、被災者とボランティアをつなぐ「災害ボランティアセンター」、ボランティア活動を行う場合の心がまえや準備、そして防災ボランティアの方々に力を発揮していただく為の受け入れ側の環境整備としての「受援力」について紹介する。
updated 2020-05-25
防災ボランティア
防災ボランティア活動とは
防災ボランティア活動とは、地震や水害、火山噴火などの災害発生時から復興に至るまで、被災地のために復旧・復興のお手伝いを行うボランティア活動を指す。
家屋の片付けや炊き出し等の直接的な復旧支援のみならず、被災者の活力を取り戻すための交流機会作りや被災者への寄り添いなど、被災者ニーズへの対応を中心とした活動を行う。
updated 2020-05-25
活動の広がり
災害時におけるボランティア活動は、古くは関東大震災の際にもみられていたが、平成7年1月17日に発生した阪神・淡路大震災で、全国から延べ約130万人以上がボランティア活動に参加するなど、「防災ボランティア活動」の重要性が広く認識された。
そして同年12月、政府は災害対策基本法を改正し、国及び地方公共団体はボランティアによる防災活動の環境整備に努めることが法律上初めて明記された。
updated 2020-05-25
活動の動向
阪神・淡路大震災の際には、学生を始め、国内外のNGOや医師・建築士等の技能団体、大学・企業のボランティアグループなど多種多用な方々が駆けつけた。
しかし、全体の約7割が初めてボランティア活動を経験する人たちだったこともあり、善意による活動にもかかわらず、被災者との感情の摩擦やボランティア同士の意見の食い違いなどの問題が浮上したこともあった。
被災地でのボランティア活動を円滑に進めるための仕組みとして、近年では、被災者のニーズとボランティアをマッチングする拠点「災害ボランティアセンター」が設置されるようになってきている。
ボランティア活動への参加希望者の自発性や自立性を尊重しつつ、また、被災地が受入れる際の負担を軽減するような仕組みを各地域が検討することが重要である。
updated 2020-05-25
災害ボランティアセンター
運営の担い手
一般的に、被災地域の社会福祉協議会、日頃からボランティア活動に携わっている方々、行政が協働して担うことが多い。また被災地外から、災害ボランティアセンター運営経験者がアドバイザーとして関わる場合もある。
主な活動内容
● 被災地のニーズの把握
活動内容についてのチラシの各戸配布や、地域の実情をよく知る地元関係者などを通じて被災者のニーズの収集を行う。機動性のあるバイク隊の派遣などを行い直接被災者のニーズを聞いて回る場合もある。
● ボランティアの受け入れ・調整
被災者のニーズにあわせて、ボランティア希望者の受け入れを調整する。
ボランティア希望者は、災害ボランティアセンターで受付を行い、被災地の状況把握や活動準備を行うとともに、ボランティア活動中の事故などに備えて「ボランティア保険」への加入手続きも行う(未加入者のみ。
原則、被災地に入る前に加入しておく)。
● 資機材の受付・貸し出し
活動のために必要な地図や道具は、災害ボランティアセンターが準備して貸し出す場合がある。
● ボランティアの派遣
被災者の要請に応じてボランティアを派遣。活動現場の家屋や避難所までの交通手段を手配する場合もある。
● 報告・振り返り
ボランティアは活動が終わった後、活動結果や気付いたこと、住民からのニーズなどをセンターに報告し、その後の活動に活かす。
updated 2020-05-25
防災ボランティアの心がまえ
被災地には、全国から数多くのボランティアが集結するため、何の準備もせずに参加しては、かえって被災地に迷惑をかけることにもなる。
防災ボランティアは、被災地の情報収集や持ち物の準備など、被災地に負担をかけない備えと心がまえをもって参加する。
また、危険な地域での活動は避けるようにしよう。
updated 2020-05-25
救援物資を送るときには気をつけよう!
救援物資は、人の善意から生まれるものであるが、無秩序に殺到するとその量や種類の多さに被災地を混乱させる場合もある。
一人ひとりは、ボランティア精神に基づいて送ったとしても、結果として迷惑をかけてしまいかねない。
物資を送る場合は、以下のことに気をつける必要がある。
○ 被災地が必要としている物を確かめましょう。
○ 被災地が必要とするものに換えられるお金を送ることも考えましょう。
○ 物資を送る場合は、なるべく地域や学校・職場等で、数量をまとめてから送付しましょう。
○ 品名や数量等を明記した全体のリスト等をつけて送りましょう。
○ 下着類は新品、又はクリーニングしたものを送りましょう。また、電池等、交換の必要な物は予備をつけるなど受け取る側の立場で考えましょう。
○ 生もの、賞味期限の短い食品、ガラス容器などの割れやすいもの、ガスボンベ等の危険物等は原則として送らないようにしましょう。
updated 2020-05-25